こんにちは。 大宮デンタルクリニックです。

寒さや乾燥が気になるこの時期、お口の乾燥が気になっている方も多いのではないでしょうか。
実はお口の乾燥は、虫歯や歯周病といったお口のトラブルを招くだけでなく、全身の健康にも大きく関わっています。
今回は、お口の乾燥を防ぐために欠かせない唾液の働きについて、お話しします。

唾液の主な働き

抗菌作用

唾液にはリゾチームという酵素が含まれており、お口の中の細菌の増殖を抑える働きがあります。

自浄作用

唾液にはお口の中を洗い流し、清潔に保つ役割があります。唾液の量が減ると汚れが残りやすくなり、虫歯や口臭などの原因にもなります。

潤滑作用

唾液は、食事や会話で顎を動かすときに、潤滑油のような役割をしています。
粘膜を守り、舌がスムーズに動くことで、はっきりとした発音や咀嚼（そしゃく）・嚥下（えんげ）動作がしやすくなります。

緩衝作用

食事の後、お口の中は酸性に傾きます。この状態が続くと、歯のエナメル質が溶け、虫歯になりやすくなります。
唾液には、酸性に傾いたお口の中を中性に戻す作用があります。これにより、歯のエナメル質が溶けるのを防ぎ、虫歯予防につながります。

再石灰化作用

虫歯菌が作る酸は歯からカルシウムやミネラルを奪いますが、唾液には失われた成分をエナメル質に戻し、歯を元の健康な状態に近づける「再石灰化」の働きがあります。ただしこの働きには個人差があり、再石灰化作用が弱い方は虫歯になりやすいといわれています。

消化作用

唾液に含まれるアミラーゼという酵素が、食べ物に含まれるでんぷんを分解し、胃や腸で消化されやすい状態にします。

このように、唾液には多くの作用があり、お口の健康だけでなく全身の健康とも深く関わっています。
唾液の減少によるお口の乾燥は、食事や会話がしづらくなるなど、日常生活にも悪影響を与えます。
また、虫歯や歯周病だけでなく、風邪やインフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなるため、注意が必要です。

唾液の分泌量を増やすために

唾液の分泌量を増やすためには、食事の際によく噛んで食べることが大切です。
よく噛むことで、自然と唾液の分泌量が増え、さらに早食いの防止にもつながります。
また、こまめな水分補給や、唾液腺マッサージもお口の乾燥を防ぐのに効果的です。

まとめ

唾液の減少は単なるお口の乾燥にとどまらず、全身の健康にも深く関わっています。
特に冬は、インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症が流行しやすいため、よく噛んで食べ、唾液の分泌量を促すことや、こまめに水分をとることを意識してみてください。
当院では、お口の健康を守るための定期検診や、唾液腺マッサージの方法などもお伝えしています。気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。