こんにちは。大宮デンタルクリニックです。

70歳以上の肺炎患者の7割以上は誤嚥性肺炎であるということをご存じですか？
今回は、誤嚥性肺炎のリスクを減らし、健康な日々を過ごすために役立つ口腔ケアについてお話しします。

誤嚥性肺炎とは？

誤嚥性肺炎は、食道から胃へ向かうはずの食べ物や唾液などと一緒に細菌が気道内に入ってしまうことで引き起こされる肺炎です。
高齢になると喉の筋肉が衰え、食べ物を噛む力や飲み込む力（嚥下機能）が低下し、誤嚥を起こしやすくなります。
主な原因菌は「肺炎球菌」です。
その他にも「クレプシェラ菌」や「緑膿菌」、「MRSA（黄色ブドウ球菌）」などがあります。

口腔ケアの重要性

誤嚥性肺炎を予防するには、口腔ケアを続けることが重要です。
口腔ケアには、歯磨きやうがいなどで口腔内を清潔に保つだけでなく、口腔内の働きを良くして嚥下機能を向上させるためのリハビリも含まれます。

口腔ケアについて

器質的口腔ケア

器質的口腔ケアは、口腔内をお掃除して清潔に保つケアです。
歯茎や舌、頬の内側などの汚れにも細菌が多く繁殖しているため、口腔内の肺炎原因菌を減らせます。

機能的口腔ケア

機能的口腔ケアは、口腔機能を回復させ、維持・向上するためのケアです。
食べ物や唾液がうまく飲み込めるようになる他、円滑なコミュニケーションにもつながります。よく噛み、よく話すことで脳に刺激を送り、気持ちの安定にも良い効果が期待できます。

嚥下体操・パタカラ体操

代表的な機能的口腔ケアには「嚥下体操」と「パタカラ体操」があります。
深呼吸をして、首を前後左右にゆっくり動かし、肩を上げ下げし、回します。
そして、背伸びをして口を大きく開閉し、舌を出して咳払いをします。
この体操には、首や肩周辺の筋肉をストレッチし、体の緊張を緩める効果があります。
「パタカラ体操」も機能的口腔ケアの一つで、「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで唇や舌を動かし、目的別にトレーニングします。

訪問歯科診療のご案内

食べるとむせたり、うまく飲み込めないといった症状がある方は、嚥下障害の可能性があります。
ご家族にご高齢の方がいて歯科医院への通院が難しい場合は、訪問歯科診療を受けてみてはいかがでしょうか。当院では、歯科医院への通院が困難な方々のために、ご自宅や施設・病院へ直接訪問して歯科診療を行なっています。お気軽にご相談ください。